「強い身体をつくる食事」とは、練習や試合で全力を発揮するためのものです。よって、1日の食事も大切なトレーニングの1つと考えています。そして、ジュニア期で一番大切なのは、「成長期」であるということです。
参照体重における基礎代謝量
子どもは体重1kgあたりの基礎代謝量が多く、例えば男子中高生で23.7~31.0kcal/kg、小学生で37.4~44.3kcal/kgと小学生の成長時期には、たくさんのエネルギーを必要とすることがわかります。成長期の子どものエネルギー必要量は下図のようになります。
成長に伴う組織増加分のエネルギー(エネルギー蓄積量)
大人の場合はエネルギー蓄積量がありませんが、子どもの成長過程では、この エネルギー蓄積量 がとても重要となります。1日のエネルギー蓄積量はさほど大きくないと捉えられますが、1ヵ月で考えると約450~1200kcalになります。
エネルギー不足になった場合、身体の成長、免疫力の低下、代謝の低下、骨形成への影響や生理不順などのリスクを招いてしまう可能性があり、また、競技結果にも影響が出てくることになります。
リスクを回避するためには、毎日の食事をしっかりと『バランスのとれた食事』主食・主菜・副菜・牛乳・果物を摂ること大切です。
エネルギーや身体をつくる栄養素は、ご飯・パン・麺類の炭水化物、肉・魚・卵・大豆・大豆製品のたんぱく質、脂質の三大栄養素。それらを体内で円滑に代謝または身体の調子を整える栄養素は、野菜・果物などのビタミン、海藻・牛乳・乳製品・小魚・穀類などのミネラルです。これらの栄養素が含まれる食材を使って、毎日の献立を考え食卓に並べることになります。
でも食事を準備するお母さんは、育児・家事・仕事など多くのことをこなさなければなりません。
『栄養のあるものを』
『バランスのよい食事を』
『ご飯の量が・・・お肉の量が・・・』
と考えていたら、お母さんは大変です。
食事は、食べたものが効率よく吸収されることが第一です。そこで、忙しいお母さんの助けになるのが食事の『彩り』です。カラフルな食事は元気で楽しい気持ちにしてくれて、消化吸収にも良い影響を与え、バランスのとれた食事にすることができます。
下記の表のように、彩りを添えるだけで不足分の栄養素を補うことができます。
例として「ワンプレート」と「チキンのトマト煮」をご紹介します。ワンプレートには、海藻類のコンソメスープをプラスするとより良くなります。チキンのトマト煮には、ブロッコリーやアスパラガス、ほうれん草、スナップえんどうなどをちょい足しするといいでしょう。
いつもの献立にちょい足しの『彩り』を加えてみてはどうでしょうか。
※基礎代謝量:人か生きていく上で必要最低限のエネルギー量
※エネルギー蓄積量:組織合成に要するエネルギーと組織増加分のエネルギー
【参考文献】
・日本人の食事摂取基準2020年版 ・色と食材の食事術 枻出版社