部活動やクラブ活動から帰ってきて、子どもが「痛い!」と訴えたとき、あなたはどうしていますか?「いつものことだから」と、そのまま練習に送りだしている方もいるのではないでしょうか。
実はその痛み、大きなリスクを伴う場合もあります。
今回は、スポーツ向けサポート・ケア製品のブランド「ZAMST」にご協力いただき、日頃からスポーツを行っている小・中学生のママ3人から、子どもが訴える体の痛みにまつわる悩みをお聞きしました。湘南ベルマーレトライアスロンチームのヘッドコーチである中島靖弘さんを交えて、子どもの「痛い!」への向き合い方について考えます。
今回、「スポーツをする少年・少女のママの悩みを解消したい」というピクロの思いに賛同し、同社ショールームにて座談会を開いてくれました。
子どもの「痛い」にどこまで付き合えばいいの?
子どもに『痛い痛い』と言われるのですが、どのくらい痛いのか、どういう痛みなのか、わかってあげられないんですよね。
サッカーをする中学1年生と、テニスをする小学3年生のお子さんをお持ちの奥田さん。子どもの体は心配ですが、中学生ともなると「休みたくて痛いって言っているのかも……」と疑ってしまいがち。どこまで対応すればいいのか悩んでしまいます。
部活動が終わったあとが一番痛がって、しばらくするとまた治る。その繰り返しなので、どっちなのよ!と思わず口にしてしまうこともあります……
比護さんの二人のお子さんはバレーボールとサッカーをやっています。日にちを空けて痛がるので、病院に行くべきかどうか判断に迷ってしまうそうです。
つい最近、上の子どもが部活動中に足首を捻挫してしまって。
2週間くらい運動せずに通院していたのですが、痛みがなくなったのか、病院も行かなくなってそのまま運動を再開してしまったんです。
バスケットボールをする中学1年生とサッカーをする小学4年生のお子さんがいる大野さん。お医者さんに言われた最後の1回の通院を子どもが行ってくれず、完治しないままなのではないかと心配しています。
子どもは大きくなるにつれて、自我が芽生え「自分の思い通りにやりたい!」という気持ちが強くなるもの。わが子の訴えを信じてあげたいものですが、なんとかママを欺こうとしたり、言うことを聞いてくれなくなることもあるでしょう。
また、体が大きくなっても、まだまだ子ども。痛みの詳細をうまく伝えられないこともあり、ママたちは子どもたちが感じる痛みに、どう対応すればいいのか悩んでしまうそうです。
そんなママたちに中島さんは警鐘を鳴らします。
お子さんの『痛い!』を軽く捉えてはいけません。捻挫などのケガの可能性が十分にあります。
一体、どんなリスクが潜んでいるのでしょうか。
しっかりと、お子さんの言葉に耳を傾けてあげましょう!
繰り返す痛みは、原因を明らかにしてあげる必要がある
踵(かかと)の成長痛などは外見からほとんどわからないこともあるんですよ。また、捻挫には腫れないものもあります。痛みの感じ方は人それぞれなので、痛くないからといって一概に軽傷とは言えません。
一般的に腫れ上がる印象のある捻挫。
そもそも捻挫とは、ジン帯が伸びて損傷してしまった状態を指します。
骨と骨をつなぐ役割をしているジン帯が伸びてしまうと、伸びてしまったビニールが元に戻らないのと一緒で、ジン帯も元に戻ることはありません。
伸びてしまったジン帯は、骨と骨をしっかりとつなぐことができなくなるため、グラグラと安定しなくなり、結果、捻挫しやすい状態になってしまいます。
少しの段差で痛めてしまうくらい、慢性的に足首がゆるくなってしまう子どももいるんですよ。
捻挫が癖になっている状態だと、いざというときにケガに悩まされたり、チームの練習に参加できず、自分の思い通りのパフォーマンスができなくなることもあります。
だからこそ、子どもが繰り返し痛みを訴える場合は、しっかりと痛みの原因を知るべき。 痛みをそのままにするのは危険が伴います。
ケガを完治させるには時間がかかります。
『痛み』がなくても見た目に現れていないだけで、完治していない場合が多いのです。
子どもが痛がったら、まずは整形外科へ
ケガが癖になったら、子どものモチベーションも落ちてしまいそう……適切に対応したいです。でも、子どもが痛がったら、まずはどこに行けばいいですか?
子どもが繰り返し痛みを訴える場合は、痛みの原因を知る必要があるとわかったところで、ママたちからはこんな意見が。整形外科や整骨院、接骨院や整体など、病院の選択肢はさまざまで、どこに向かえばいいのか迷ってしまいますよね。
まずは整形外科に行きましょう。なぜなら、関節の中で何が起こっているかは、見た目だけですべて解明することはできないからです。たとえば『関節ネズミ』といって関節の中に小さな骨や軟骨のカケラが入り込み、痛みを感じさせる症状などは、レントゲンを撮らないとわかりません。レントゲンは、医師など専門的な資格を持った者しか撮影できないので、まずは整形外科にいって診察してもらいましょう。
病院の整形外科では、医師が診察や治療を行います。鍼灸院、整骨院では、柔道整復師や鍼灸師など、国家資格を持った人が施術を行いますが、診断をすることはできません 。
整体は民間サービスなので、主にリラクゼーションがメインとなります。スポーツトレーナーが所属する場合は、スポーツへ復帰する際のトレーニングやケガの再発予防を指導してもらえる可能性もあります 。
まずは、整形外科でしっかり診断してもらって、病院からの指示があれば鍼灸整骨院などに行きましょう。整形外科からの指示があったり、リハビリやケガの再発予防のために、鍼灸整骨院やスポーツトレーナーの指導を受けられるような施設に通うのもいいですね。
それぞれの施設によってできる処置が違います。ケガの段階に応じて適切な病院を選び、通い続けることが完治への近道となることを覚えておきましょう。
家庭でできるケガへのケアと予防法
痛みやケガを繰り返さないためには、家庭でのケアも大切なのだそう。池森さんがママたちに的確なアドバイスを授けてくれました。
ケガをした直後は、安静を保つことが大切です。腫れや痛みが引いてきたら、徐々に動かしていきましょう。その際に、まだ恐怖心や再発の恐れがある場合は、サポーターを使うことをおすすめします。
サポーターを使用することにより、再発を予防できる場合もあるそうです。
また、ケガの再発予防には、筋力をつけたり、ストレッチをしたりすることも重要とのこと。ケガの直後は、関節や筋肉の動きがおとろえているので、自由な動きができるように整える必要があるのです。
関節や筋肉が元に戻るまでの間、サポーターで保護しながらトレーニングを行うという方法もあります。
プロ選手はケガをしていなくても、予防のためによくテーピングをしていますね。お子さんが、自分で効果的なテーピングをするのは難しいでしょう。そういう意味でもサポーターは便利。つけたり取ったりも簡単なので、子どもだけでもできます。
ケガへの対応は、病院に通い治療することはもちろんのこと、高いパフォーマンスを続けるためにも、丁寧なケアやその先の再発防止が大切なのです。
痛みの原因を正しく理解して、子どもの「痛い」に向き合おう
子どもの『痛い!』にはケガのリスクやケガが癖になっているリスクがあるため、必ず対応し、丁寧なケアや再発防止をすることが重要です
病院に行くように言っても行ってくれません。サポーターもそのうち部屋の隅にポツンと置いてあったり…
そんなときは、ケガのメカニズムを伝えてみましょう。
ケガが完治しないまま運動を続けるとケガをしやすくなったり、パフォーマンスに影響が出たりすることがわかれば、お子さんも病院に通ってくれます。ママがケガのメカニズムを理解することで、子どもへの説明もしやすくなります。ときには部活動の先生やチームのコーチなど、家族以外の人から話してもらうのもおすすめです。
今回ご協力いただいた「ザムスト-ZAMST」 とは…