夏休みに備えよう!子どものやる気を引き出す方法とは?!

夏休みに備えよう!子どものやる気を引き出す方法とは?! kokuyo

「しゅくだいやる気ペン」の力を「子どものやる気を引き出すスペシャリスト」が徹底検証

子どもに「勉強しなさい!」といいたくないとは思いながらも、子どもが遊んでばかりいればそうはいきません。ところが、そんな子どもを激変させる文房具があるといいます。それは、大手文房具メーカー・コクヨが開発した「しゅくだいやる気ペン」

いったいどんなものなのでしょうか。独自の授業スタイルにより「子どものやる気を引き出すスペシャリスト」として知られる東京学芸大学附属世田谷小学校の沼田晶弘先生を招き、小学生の子どもを持つ3人のお母さんたちとともに「子どものやる気を引き出す方法」をテーマに存分に語っていただきました。

夏休みに備えよう!子どものやる気を引き出す方法とは?!
沼田晶弘先生
子どものやる気を引き出すスペシャリスト。
児童の自主性・自立性を引き出す斬新でユニークな授業が話題


夏休みに備えよう!子どものやる気を引き出す方法とは?!
金本えりかさん
サッカースクールに通う男の子(小2)のお母さん
夏休みに備えよう!子どものやる気を引き出す方法とは?!
中井信彦さん
2児の父でもある、「しゅくだいやる気ペン」の開発担当者



夏休みに備えよう!子どものやる気を引き出す方法とは?!
梅山智美さん
サッカースクールに通う男の子(小3)のお母さん

夏休みに備えよう!子どものやる気を引き出す方法とは?!
井上梢さん
キッズチアスクールに通う女の子(小3)のお母さん

子どものやる気を引き出す「しゅくだいやる気ペン」とは?

コクヨの調査によれば、「利用した78%の親子が『以前より勉強机に向かうようになった』と実感している」という「しゅくだいやる気ペン」。まずは、開発担当者の中井さんに「しゅくだいやる気ペン」の概要を説明してもらいます。

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夏休みに備えよう!子どものやる気を引き出す方法とは?!
中井さん

「しゅくだいやる気ペン」は、スマートフォンのアプリと連動するいわゆるIoT文具です。「子どもの努力を見える化したい」という思いで開発をはじめました。

 

使い方は簡単。一般の鉛筆に取りつけて電源を入れます。そして、子どもが机に向かって字を書いたり考えたりしていると、その時間に応じて「やる気パワー」がたまる。たまった「やる気パワー」の量は、「しゅくだいやる気ペン」のLEDの色の変化によってひと目でわかります。これが、子どもにとって励みになるわけです。

 

もちろん、それだけではありません。勉強が終わったら、たまった「やる気パワー」を親御さんのスマホにインストールしたアプリに「注ぐ」のです。すると……、わたしたちが「やる気の庭」と呼んでいるアプリ内のスゴロク形式のステージを進んでいき、さまざまなアイテムを手に入れることができます。強過ぎない程度のゲーム性を盛り込むことで、子どものやる気を引き出す仕組みです。

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夏休みに備えよう!子どものやる気を引き出す方法とは?!
中井さん

もちろん、親御さんにもメリットがあります。まずは、子どもの頑張りがひと目でわかるということ。子どもが「しゅくだいやる気ペン」を使った日やためた「やる気パワー」の量は、アプリ内で確認することができます。

 

そうして、子どもの頑張りがわかれば、子どもを褒めてあげるきっかけを得られることにもなる。また、勉強を終えた子どもは、「やる気パワー」を注ぐために親御さんに「終わったよ!」と誇らしげに報告してくれますから、その場で親子のコミュニケーションが生まれるということにもなるのです。

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梅山さん

息子に使わせるのが楽しみです。じつは、この取材の前に、息子に「しゅくだいやる気ペン」の動画を見せてみたんです。そうしたら、目をキラキラさせて「やってみたい!」と。使わせる前からもうやる気になっていますね(笑)。

「達成経験の可視化」が、やる気を引き出す鍵

子どものやる気を引き出すためにはどうすればいいのか? 親が頭を悩ませることのひとつでしょう。とくに新型コロナウイルスの影響によって自宅学習のウエートが上がっているいまは、その悩みもさらに大きなものになっているようです。

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金本さん

やっぱり、毎日のように「何時になったら勉強するの?」といわないと、なかなか勉強してくれないことが悩みですね。自主的にやってくれるようになるといいんですが……。

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梅山さん

わたしも子どもに「勉強しなさい」ってあまりいいたくなくて、家庭教育に関する本をいろいろ読んだのですが、結局いってしまっていますね。

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沼田先生

そういう意味では、「子どもの努力を見える化したい」という思いで開発したという「しゅくだいやる気ペン」はいいですね。子どもが自ら勉強をするようになるといったやる気を引き出す鍵のひとつは、「達成経験の可視化」だからです。

 

大人だって同じじゃないですか? 子どもの弁当をつくることが嫌になる親御さんとそうじゃない親御さんがいますよね。後者はどういう人かというと、もともと料理が好きな人もいますが、なんらかの方法で達成経験の可視化をしている人もいます。

 

たとえば、弁当の写真をSNSにアップして、まわりからの反響が励みになっているケース。自分のページを見返してみれば、これまでつくった弁当の写真が並んでいて、「こんなに頑張ってきたんだ」ということがわかり、それがまた励みになる。まさに達成経験の可視化を自分自身でしているわけです。

夏休みに備えよう!子どものやる気を引き出す方法とは?!
中井さん

「しゅくだいやる気ペン」ではLEDの色を変えることなどで努力を見える化していますが、その特徴がまた別の視点でもよかったようです。

 

子どもが勉強を終わらせたとき、親としては「正解だったかどうか」というところに目が向きがちですが、そうではなく、とにかく子どもが机に向かって勉強をしたという事実に目を向けて褒めることができるようになったという声も利用者から多く頂いていますね。

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「しゅくだいやる気ペン」を、各家庭でアレンジして使う

勉強した分だけたまる「やる気パワー」の量に応じて、アプリ内のステージを進みアイテムを手に入れることで、達成経験を可視化してくれる「しゅくだいやる気ペン」。ただ、沼田先生はちょっとアレンジした使い方も提案してくれました。

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沼田先生

たしかに、この「しゅくだいやる気ペン」はよくできていると思います。でも、子どもの好みは千差万別。LEDの色が変わることやアプリ内に用意されたステージを進むことによろこびを感じる子どももいれば、すぐに飽きてしまったり、最初から興味を持たなかったりする子どももいるでしょう。

 

では、後者の子どもに「しゅくだいやる気ペン」を使わせることに意味がないかというとそうではありません。ステージを進むことに子どもがよろこびを感じないのなら、子どもがよろこびを感じるご褒美を各家庭で話し合って用意すればいい。

 

子どもの努力を測るためのバロメーターとして、「しゅくだいやる気ペン」を使えばいいのではないでしょうか。

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井上さん

ご褒美について悩みがあって……。娘がご褒美として図書券を欲しがるんです。現金ではありませんが、現金のように使えるものを与えるのはどうなのでしょうか。

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沼田先生

なにも悪いことはありません。もちろん、その額面にもよりますが、きちんとお金の価値を教えるという意味ではむしろいいことだと思いますよ。日本の家庭ではお金の存在を子どもから隠しがちです。

 

子どもたちはお金の価値を教えられないまま成長し、ある日突然社会に出される。そうして、経済的に困ると、気軽に消費者金融などに手を出すことになる。そっちのほうがよっぽど危険です。きちんとお金の価値や使い方を教えるマネー教育だと考えれば、図書券や現金をご褒美にすることになんの問題もないでしょう。

 

ただ、わたしがおすすめするご褒美は、食事など消え物です。その日限りで終わって、「また美味しいものを食べたい!」というふうに、子どもがすぐに「次」に向かえるからです。ゲームソフトだとそうはいきませんよね。買ってもらったらしばらく遊び続けることになり、なかなか「次」に向かえません。

 

加えて、食事には別のメリットもあります。だいたい月に一度くらいは家族で外食することもありますよね。その食事を子どものご褒美に設定する。「テストで100点を取れたら、焼き肉を食べに行く」という具合です。

 

すると、食事に行けたら、子どもは「僕がお父さんやお母さんを焼き肉に連れてきたんだ!」と誇らしく感じて、それこそ「次」へと向かうやる気が湧いてきます。一方、親からすれば、普段でも月に一度くらいは家族で外食するのですから、家計にはなんの痛手もないということになるのです(笑)。

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利用者の声を拾い、進化していく「しゅくだいやる気ペン」

ここまで、3人のお母さんたちの他、沼田先生にも好評だった「しゅくだいやる気ペン」。ただ、「子どものやる気を引き出すスペシャリスト」である沼田先生には、少しだけ不満点もあったようで……。

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沼田先生

実際に「しゅくだいやる気ペン」を3年生の姪っ子にしばらく使わせてみたんです。姪っ子はけっこう真面目に勉強をするタイプなんですが、「やる気パワー」が思ったよりも早く上限に達してしまうんですよ。

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中井さん

ゲーム性を過度にあお煽らないように、1日あたり1時間半ほどでいっぱいになる設定にしていました。

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沼田先生

そうなると、「もうちょっと勉強しないの?」と聞いたときに、「だってもういっぱいなんだもん」と勉強を拒否する理由を与えることになるのです(苦笑)。

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梅山さん

でも、「1年生くらいの子どもの集中力が続くのは30分が限度」というふうに聞いたこともありますが……。

夏休みに備えよう!子どものやる気を引き出す方法とは?!
沼田先生

それはあくまで平均値ということですね。1年生でも、30分よりずっと長く勉強を続けられる子どももいます。ただのゲームを子どもにやらせるのなら制限をかけるべきだと思いますが、「しゅくだいやる気ペン」はゲーム性がありつつもやっていることは勉強なのですから、もう少し上限が高くてもいいように思います。

夏休みに備えよう!子どものやる気を引き出す方法とは?!
中井さん

そういった声は利用者からも頂いて、じつはつい最近設定を変更したのです。3日間連続で「やる気パワー」が最大に達すると、上限が開放されるようになっているんです。

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沼田先生

なるほど! それはいいですね。大人が考える以上に、やる子はどんどんやりますよ!

こういった意見を取り入れて柔軟に設定を変えられるのも、「しゅくだいやる気ペン」がIoT文具だからこそ。利用者とともに進化していく「しゅくだいやる気ペン」で、みなさんの子どものやる気も引き出してみては?

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夏休みに備えよう!子どものやる気を引き出す方法とは?!
しゅくだいやる気ペン|コクヨ公式
いつもの鉛筆に付けるだけ。勉強が終わったらスマホと接続。子どもの可能性をグングン引き出す新しいコンセプトのデジタル文具です。

構成/岩川悟(合同会社スリップストリーム) 取材・文/清家茂樹 写真/松岡健三郎

プロフィール

沼田晶弘先生
1975年9月19日生まれ、東京都出身。
東京学芸大学附属世田谷小学校教諭。学校図書生活科教科書著者。
東京学芸大学教育学部卒業後、インディアナ州立ボールステイト大学大学院で学び、インディアナ州マンシー市名誉市民賞を受賞。スポーツ経営学の修士課程修了後、同大学職員などを経て、2006年から現職。児童の自主性・自立性を引き出す斬新でユニークな授業が読売新聞に取り上げられ話題となる。教育関係のイベント企画を多数実施する他、企業向けの講演も精力的におこなっている。
著書に『one and only 自分史上最高になる』(東洋館出版社)、『家でできる「自信が持てる子」の育て方 “自分からつい勉強する”ようになる「あの手」』(あさ出版)、『「変」なクラスが世界を変える! ぬまっち先生と6年1組の挑戦』(中央公論新社)、『子どもが伸びる「声かけ」の正体』(KADOKAWA/角川書店)、『ぬまっちのクラスが「世界一」の理由』(中央公論新社)、『「やる気」を引き出す黄金ルール 動く人を育てる35の戦略』(幻冬舎)などがある。

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世界標準のアクティブ・ラーニングでわかった ぬまっち流 自分で伸びる小学生の育て方
アクティブ・ラーニング第一人者による、”自分で伸びる”小学生の育て方
プロフィール

中井信彦さん
コクヨ株式会社 事業開発センターネットソリューション事業部 ネットステーショナリーグループ グループリーダー。関西学院大学大学院理学研究科修了。1999年、シャープ株式会社に入社。液晶パネルの研究開発に従事したのち、海外向け液晶テレビの商品企画、手書きデジタル機器のプロジェクトマネージメントを経験。2013年、コクヨ株式会社へ入社。以来、デジタル文具の企画・開発に従事。2児の父でもある、「しゅくだいやる気ペン」の開発担当者。

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