第3回「地味な練習に前向きになれない子」好きなマンガのキャラクターは何?

第3回 「地味な練習に前向きになれない子」 好きなマンガのキャラクターは何? mental

 子どもが「夢を持ってもすぐに諦めてしまう」「自分なんてと自分を否定してしまう」「嫌なことからすぐに逃げ出してしまう」、こういう時にどう対処すべきなのか、お子さんがスポーツをしている保護者のみなさんには悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

子どもが自分に自信を持ち、スポーツの本番に強い精神力を養うにはどうすればよいのか。 スポーツメンタルトレーナーとして子どもたちをサポートする清水利生さんに全3回にわたって事例別に伺いました。

“練習がつまらない”ユウキくん(小学校4年生)の例
「試合は楽しそうに頑張っているのですが、練習が嫌いみたいで、いつも行きたくないと言うんです」
お母さんの悩みの種は小学4年生のユウキくん(仮名)。4月から野球チームに入りましたが、なかなか練習に前向きになってくれません。

マンガのキャラクターに自分を重ねてみよう!

お母さんはユウキくんに、「地味な練習も大切だよ」といつも伝えているそうですが、ユウキくんは「楽しくないことはやりたくない」と練習に向き合おうとしません。ユウキくんに詳しく話を聞くと、自分でも練習が大切なのはわかっているけれど気持ちがついてこない様子でした。

そこで私は好きな漫画を聞きました。
「たくさんあるよ!」
とユウキくん。その中から自分に似た境遇のキャラクターをピックアップしてもらい、そのキャラが苦手なことだろうが克服する様子を話してもらいました。

「ユウキくんが、そのキャラクターになってみようか!」
そう問い掛けると、彼はキョトンとした顔でこちらを見て笑い出しました。キャラクターになった気分で練習に向かい、苦手を克服する様を自分に重ねてもらったのです。

人間は、「取り組んだ先にどれだけワクワクすることが待っているのか? 」というプラスの感情をイメージすることができたときに、やる気が増します。ユウキくんは苦手を克服し、成功するキャラクターに自分の姿を重ねることで、成功する未来への期待が膨らみました。

第3回「地味な練習に前向きになれない子」好きなマンガのキャラクターは何?

成功をイメージして小さな達成感を高めよう!

「自分が漫画のキャラになったつもりで練習しているよ」
ユウキくんはつまらないと感じる練習も、積極的に取り組めるようになり、メキメキと実力を伸ばしていきました。

目の前の練習に前向きになれない子は少なくないでしょう。そんなときは、行動に意識を向けて、少しずつ達成感を味わっていくことがモチベーションを伸ばす一つの方法です。

もう一つ私のオススメは、漫画や映画、また目標とする選手を見て、成功するイメージをしてもらうことです。 キャラクターに自分を重ねる仕掛けをしてみるのも、モチベーションを育てるサポートになるでしょう。

プロフィール
第3回「地味な練習に前向きになれない子」好きなマンガのキャラクターは何?

清水 利生(しみず・としき)
1985年山梨県生まれ。山梨県立韮崎高校卒業。山梨学院大学を中退しプロフットサル選手として29歳までプレー。引退後メンタルトレーナーに転身。スポーツ心理学、大脳生理学を用 いてアスリートを中心にサポートし、企業の社員研修講師も務める。現在プロスポーツチームのサポートをはじめ 、オリンピック選手やW杯出場選手など日本を代表する選手たちのサポートを行う。これまでに、500人を超える日本のトップアスリートを結果につなげている。ジュニア育成「パンケーキプロジェクトR」では、年間延べ2,000人を超える子どもたちをサポートし自己肯定感を育てる活動を広げる。株式会社43Lab代表取締役。
https://43lab.com/

タイトルとURLをコピーしました