いま、世界中で感染症対策に注目が集まっています。基本的な感染症対策といえばマスクの着用ですが、高温や多湿環境でのマスクの着用は熱中症のリスクが高まることも。
暑さが厳しくなるこれからの季節、お子さんを感染から守る対策は万全ですか? 今回は、マスクや消毒、手洗いやうがいに加えて、子どものためにできるもうひとつの感染症対策について解説します。
熱中症のリスクが高まる夏場の「マスク」。いまできることは?
感染症対策として飛沫拡散予防に有効とされている「マスク」。新しい生活様式として、外出時には子どもも大人も欠かさず着用しています。しかし、これから迎える夏の高温・多湿環境でのマスクの着用は、熱中症のリスクが高まると言われています。
マスク着用時は、着用していない場合と比較すると、心拍数や呼吸数、血中二酸化炭素濃度や体感温度が上昇しやすく、身体に負担がかかってしまうおそれがあるためです。
厚生労働省では、他人との距離を2m以上確保できる屋外の場合は、マスクをはずすように呼びかけています。とはいえ、他人との距離が十分にとれている環境であっても、感染症のリスクをゼロにすることはできません。そこで、注目したいのが人間の体にもともと備わっている「防御機能」です。
参考資料:「新しい生活様式」における熱中症予防行動のポイント/厚生労働省
感染症対策のカギとなる「線毛輸送機能」
人間の身体には、ホコリやウイルスの侵入を防ぐ機能があることをご存じでしょうか。私たちの気道には「線毛」という細い毛のような細胞があり、常に動きながら体内に入ってきた異物を排出する「線毛輸送機能」を備えています。
この線毛は、粘液に満たされている場合は活発に働きますが、体の水分量が減り乾燥すると動きがにぶくなることも。その結果、異物を体の外に排出する機能が低下します。ウイルスや細菌の侵入を防ぐためには、こまめに水分補給を行い、線毛の潤いを維持することが重要です。
体に長くとどまるイオン飲料で水分補給
線毛輸送機能を維持するためには、適切な水分補給を行うことが大切です。そこで有効なのが「イオン飲料」です。
サッカリンタイムの実験(湿度における粘液線毛輸送機能の実験)では、水分不足の状態で「何も飲まない」「ミネラルウォーターを飲む」「イオン飲料を飲む」の3通りで比較した場合、「イオン飲料を飲む」ことがもっとも機能低下を抑えられたという結果が出ています。
この実験は成人を対象としたものであり、必ずしも子どもにも同じ結果が出るとは限りません。しかし、「イオン飲料」が成人に長くとどまる、線毛輸送機能を維持するための水分として適していることは確かです。スポーツ時になじみのあるイオン飲料ですが、実は日常の健康維持にも役立つのです。
出典:「水分摂取が低湿度環境における鼻腔の繊毛機能および乾燥感に及ぼす影響」
子どもや高齢者は特に、水分不足に注意!
日常生活の中では、皮膚や呼吸から1日約900mlもの水分が失われています。この水分の中に汗は含まれていないため、夏に向かってさらに水分の喪失量は多くなります。喉の渇きを感じていないとしても、定期的な水分摂取で線毛輸送機能を保つように心がけることが大切です。
特に子どもや高齢者は自分で適切な水分補給ができないうえ、体の水分量も成人と異なるため、脱水しやすいという特性があります。水分不足にならないように周囲の人間が気をつけてあげることも必要です。
今年の夏は、積極的な水分補給で体調管理を
健康を維持するためのポイントは、バランスの良い食事と適度な運動、休養の3つです。まずは、生活習慣を整えて感染リスクを遠ざけるようにしましょう。加えて、積極的な水分補給を行うことが大切です。
体液に近いバランスで電解質を含んでいるイオン飲料なら、体の水分を長時間キープしてくれます。熱中症対策はもちろん、今年の夏は体調管理にもイオン飲料を活用してみてはいかがでしょうか。
参考資料:月刊マーチャンダイジング 緊急提言リポート/感染対策のための水分補給