これまでの連載で、運動神経の良し悪しのカギは遺伝ではなく、コオーディネーション能力と呼ばれるものにある!というお話をしてきました。
その中身は全部で7つ。
定位能力、リズム化能力、分化能力については、2~5回目でお話した通りです。
ここで、前回の復習をしてみましょう!
いきなりスポーツを始めるのは、結構レベル高いよ!
スポーツの前に土台作りが大事だよというお話でした。
前回出てきた縄跳びには、実は、様々なコオーディネーション要素が含まれています。
・一定のリズムで跳ぶリズム化能力
・同じ場所でジャンプを繰り返すバランス能力
・手首を回すことと同時に縄がくるタイミングで跳ぶ連結能力
縄跳びに限らす、スポーツスキルは様々なコオーディネーション要素の組み合わせでできています。
例えばサッカーボールを蹴る(シュート)なら、
・片足(軸足)で支えるバランス能力
・ボールに足をあてる定位能力
・蹴る前にためを作って、上半身と下半身の動きやパワーを連動させる連結能力
縄跳びやシュート、投球動作などの1つ1つのスキルでさえ多くの要素があるのに、スポーツの試合となれば、もっともっと複雑になるのは容易に想像できますね。
でも、子供のスポーツの練習となると、
車を運転しながらスマホを操作する練習をしよう!
みたいな難しすぎることを行ってしまいがちです。
言うまでもありませんが、車の運転は、ブレーキやアクセル、ウインカーの使い方や交通ルールを理解している前提で行います。
その上で道路標識に従ったり、飛び出してくる子供の予測をしたり、前の車との距離感に気を付けたりしなければならないので、TVを観たりスマホをいじったりすることは禁止されています。
コオーディネーショントレーニング発祥の地ドイツでは、小学校卒業くらいまでは特定のスポーツを行うことを推奨していません。
すでに、幼少期から特定のスポーツに力を入れる方が良いと多くの方に思われている日本で受け入れられる考え方ではないかもしれませんが、せめて、運転しながらスマホ操作をするというリスクを高めるようなトレーニングではなく、生涯に渡り無事故無違反で快適に車の運転ができるような、スポーツがより巧く楽しくなるようなトレーニングを知っていただけたらなと思います。
■ワンポイントトレーニング
今回はバランスです。
同じ場所でジャンプしながら回る。